学術セミナーバックナンバー

第21回日本医学看護学教育学会学術セミナー

日時 平成30年12月1日(土)13:00~16:00
会場 島根県立中央病院 2階 大研修室(島根県出雲市姫原4丁目1-1)
テーマ 「地域包括ケア時代を見据えた看護基礎教育を考える」
ポスター

日本医学看護学教育学会第21回学術セミナーのご案内

実行委員長 小阪真二(島根県立中央病院 病院長)

地域包括ケア時代の到来により療養の場が病院から地域へと変化する中で、治療と生活の両面から支援する看護職への期待が高まっている。健やかに生まれそだつことへの支援から穏やかに死を迎えることへの支援まで、住み慣れた地域で幸せに暮らせることに対応できる人財が求められている。多くの医療者がいる病院の中だけでなく、地域の中で自分自身の判断で患者の変化に対応するためには、しなやかでトータルな思考と実践能力が必要とされる。そのような期待に応えられる看護職を育成するために、教育に関わる各立場の皆さまからご意見をいただき、参加者と共にこれからの看護基礎教育を考える機会としたい。

基調講演(13:10~14:10)

テーマ:「看護基礎教育をめぐる現状」

講師:時本圭子(倉敷中央看護専門学校 副校長、日本看護学校協議会 前副会長)
座長:池田康枝(島根県立中央病院 看護局長)

シンポジウム(14:20~15:55)

テーマ:「今、求められる看護のチカラを発揮するために、看護基礎教育の在り方を考える」

座長:伊藤千加子(島根県立中央病院 看護局次長)

「訪問看護師の現状と課題」
高橋京子(島根県訪問看護ステーション協会 理事)
「入退院支援に関わる病院看護師の立場から」
今岡桂子(島根県立中央病院 看護局次長、入退院支援・地域医療連携センター長)
「看護基礎教育の立場から」
加藤典子(島根県立石見高等看護学院 副学院長、島根県立大学看護学科 准教授)
「行政の立場から」
今田久仁子(島根県健康福祉部医療政策課 看護職員確保グループGL)

参加申込について

  • 参加費は無料です。どなたでも参加できます。
  • 参加申込は、E‐mailまたは、FAXをお送り下さい。当日の参加も受け付けます。

会場地図

交通アクセス

出雲市駅より北へ約2km

  • 徒歩 約25分
  • 車 約5分
  • JR出雲市駅より一畑バス日御碕線・大社線①・大社線③、スサノオ観光バス大寺線で「中央病院」下車

お問い合わせ

日本医学看護学教育学会第21回学術セミナー事務局

〒693-8555 島根県出雲市姫原4丁目1-1
島根県立中央病院(看護局 伊藤千加子)
TEL:0853-22-5111
FAX:0853-21-2975
E-mail:yume.ns@spch.izumo.shimane.jp

日本医学看護学教育学会 第21回学術セミナーを終えて

実行委員 池田康枝(島根県立中央病院 看護局長)

師走とは思えない陽気となった12月1日(土)、出雲市の島根県立中央病院で第21回学術セミナーを開催いたしました。

地域包括ケアシステムの構築において、療養の場が病院から在宅へと変化し、治療と生活の両面を支援する看護職への期待が高まっています。「健やかに生まれ育つことへの支援から「穏やかに死を迎えること」への支援まで、住み慣れた地域で幸せを感じながら暮らせることに対応できる看護職の育成が求められています。そこで、学術セミナーのテーマを「今、求められる看護のチカラを発揮するために、看護基礎教育の在り方を考える」とし、基調講演とシンポジウムを企画しました。

基調講演では、日本看護学校協議会前副会長であり、倉敷中央看護専門学校副校長の時本圭子氏に「看護基礎教育をめぐる現状」についてご講演をいただきました。人口や年齢構成などの社会の変化や看護を取り巻く環境について、厚生労働省が看護基礎教育について検討してきた経緯などを分かりやすく説明していただきました。2018年4月に設置された看護基礎教育検討会での検討内容や、平成20年度の第4次カリキュラム改訂の評価など大変興味深く、また、先生の経験を交えたお話しで理解を深めることができました。今後は社会人基礎力やアセスメント能力の育成、地域看護・在宅看護を含めた統合分野の充実、アクティブラーニングなど教育方法の工夫を強化していきたいと話されました。

シンポジウムでは、訪問看護師の立場より、島根県訪問看護ステーション協会理事で花みずきナースステーション代表取締役の高橋京子先生、看護基礎教育の立場より、島根県立石見高等看護学院副学院長で島根県立大学看護栄養学部准教授の加藤典子先生、病院看護師の立場より、島根県立中央病院入退院支援・地域医療連携センター長の今岡桂子先生、行政の立場より、島根県健康福祉部医療政策課看護職員確保グループリーダーの今田久仁子先生に、それぞれの立場よりご発表をいただきました。地域包括ケア時代の在宅医療を支える訪問看護師の役割や、「稀に入院、ほぼ在宅」に向けて病院が行っている入退院支援の現状などの発表から、求められている看護職像を描くことができました。看護基礎教育においては、地域包括ケアシステムに対応できる看護職に必要な能力獲得のため、1年次より様々な科目で学修や体験をされていることが分かりました。また、島根県の看護職員確保対策や看護職員への支援事業についても理解を深める機会となりました。フロアの新人教育担当者から実践能力習得の現状についての意見や、教員からカリキュラムの具体的な内容の質問などがあり、短い時間でしたが効果的な意見交換ができました。

今回のセミナーを終えて、地域包括ケアシステムの構築に向け、働く場や役割が今度益々拡大する中、どんな看護職を育てたいのか、明確なビジョンを持って養成機関と実習施設、そして行政が連携する大切さを改めて実感いたしました。

最後になりましたが、本学会の皆様をはじめ県内外から81名の方に参加いただきましたこと、ご講演をいただいた時本圭子先生をはじめ4名のシンポジストの方々に心よりお礼申し上げます。

第22回の学術セミナーは、広島文化学園大学において開催されます。皆様是非ご参加ください。